2008-01-09

『貸し込み 上』  黒木亮




国際金融やエネルギー市場を舞台にしてきた黒木亮にしては珍しく、話題は国内の融資業務。

もちろん、主人公の現職はニューヨークのインベストメントバンカーではありますが。


話の舞台はバブル以前に銀行がめちゃめちゃやっていたその尻拭いをさせられている現代。


借り入れの契約書の代筆はあり、意思確認のない保証契約はあり、まして借り入れ本人は・・・。

当時の世の中では小説の話ではなく実際いくらでもあった話なのであろう。

普通預金の口数あわせで犬やネコの名前を使っていたなんてのはかわいい話だ(おっと、不謹慎でしたか)。


借り入れの意思なく、まして両建てで融資を実行された被害者の起こした裁判にインベストメントバンカーが巻き込まれ、裁判が進行していきこのままうまく収まるのか???


だけど、ここでうまく収まってしまっては小説として面白みに欠けてしまう。


これは「下巻」に期待せずにはいられません。

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