2007-06-25

海外が近い

梅田望夫さんのブログで、「海外に住んでも母国語中心に生きること」という書き込みがあった。


逆に考えれば、日本にいても海外にいる状態が再現できるのか。

語学を覚えるためにいわゆる「英語漬け」の状態にしようと思えばポッドキャストで英語のものを集めればいくらでも環境は整えられる。チープ革命でハードディスクは大容量化しており、どれだけでも保存は可能。

海外のビジネスシーンを見てみたいと思えばネットのグローバリズムで情報はいつでも手に入れることはできる。


海外に憧れを抱く人間にとって、今現在の環境が海外に行くことが許されない場合、今の時代海外を知ることは十分に可能だ。

ただ気をつけなくてはならないのは、情報が散乱しているため最終的にまとまらないという自体には十分注意する必要はあろうが、それもネットの使い方一つで何とか解決することはできるだろう。

丁寧に情報に当たっていけば、ただ漫然と海外にいる以上のものを得ることは現実的でない話ではないかもしれない。


いずれにしてもそれはバーチャルの域は出ないので、その土地やその環境での空気感というものは得られないかもしれないが、ただ漫然とその場にいただけでは結局何も得ることができなかったというリスクを考えれば、ネットで情報を得ることで十分に海外を満喫することはできる。


それだけの情報に接する時間と、情報を整理する、判別するだけの知識をつけることを心がけないといけないと思う、今日この頃。

2007-06-23

『覇権の標的』  阿川大樹




経済小説というジャンルの作家は、題材が金融である場合に限らず概ね金融関係出身者、または経済担当記者出身者が多いような気がする。それはただ単に、自分自身が読んできたものがそういう傾向にあっただけかもしれないが。

『覇権の標的』は題材は半導体開発。

シリコンバレーで雨後の竹の子のごとく誕生するベンチャー企業。そこが話の舞台である。


取捨選択される特許技術。お金に見込まれるか見捨てられるのか。

結果を即座のお金に求めるのか否か。


このような判断を一瞬に行われなければならないシリコンバレーの世界。


技術者出身の作者が著した本書は、技術への思い入れから書かれた経済小説。

会社経営に全く疎いが、そこに集まる資金と経営者。


ファイナンスを中心に書かれたものとはまた違う世界を堪能することができた。

2007-06-19

iPodへ

ソニーのネットワークウォークマンからiPodへ乗り換えました。

ネットワークミュージックを使い始めたのは早く、ハードディスクウォークマンが出る前からネットMDを使用していました。

MDの調子が悪くなった際、かなりiPodにするか迷ったのですが、これまでダウンロードしたものやパソコンに取り込んだ音源がだいぶあったため、それを生かすためにソニーのハードディスクウォークマンを1年半前に購入。

ハードディスクウォークマン導入時から、iPodにしておけばよかったという後悔はかなりありました。

まず、プレイヤ。

それまでMAGIQLIPとSonicstageを使っていたのですが、ハードディスクタイプに変えてからはCONNECT PLAYER。

これらがちっとも融合せず、おまけにmedia playerでも使用が可能に。


web2.0が進む中で、iTuneの方はmixiと融合しているのに、ソニーは独自にmedia playerでの対応。ポッドキャストも増えない。

こんな足踏み状態に嫌気が差し、思い切ってiPodの80ギガを購入。


やはりiPodにしてよかった。

まず、動画がかなり楽しめる。

個人的に、音楽を聴くにもライブ版が好きなのだが、ライブDVDを取り込んで電車の中で楽しめる。mixi stationで勝手に拝聴した曲をアップしてくれるので、そこから新たなアーティストとめぐり合うこともできる。


80ギガの容量が必要なのかどうなのか、またこの値段が安いのか高いのかは人それぞれだろうが、間違いなく一昔前に80ギガのハードディスクを一般人が買うことはできなかった。

これもチープ革命のおかげといったところだろうか。


この80ギガを無駄にしないよう、新たなweb2.0の世界を堪能してみよう。

2007-06-09

『インテリジェンス 武器なき戦争』  手嶋龍一、佐藤優

intelligenceって言葉の意味は「知性的」とか「知的な人」に対して使うものだとばっかり思っていました。





この本を最初に本屋さんで見たときは、「あぁ、ハイソサエティーな人たちの対談なんだ」ぐらいにしか思わなくって、たまたま手嶋龍一さんはNHKのアメリカ総局長だったことを知っていただけで買ってみました。

読み始めたら最初の印象はまったくなくなって、というよりインテリジェンスの意味がわからなくなって調べてみたら、

情報, 消息, 情報収集, 報道;諜報(ちょうほう)(機関), 情報部(▼特に軍事機密を探る

って意味があるんですね。

知らなかった。


手嶋龍一さんのデビュー作、『ウルトラダラー』もかって読み始めたのですが、話がさっぱりつかめなくて途中で挫折してしまいました。

その理由がこの本でわかったような気がします。


情報員というと怖いイメージが先行しますが、そこにも人間関係があり、ネットワークがあり、使命があり。

情報員がいない日本は平和なのかと思っていましたが、逆に情報収集力や処理能力に問題があるのではないか。そんな気がしてきました。

一般企業に勤める人間にとっても、駆け引きというものはあるわけですから、情報インとまでいわなくても、それなりにスタンスとしてこういうものもあるんだということは、気に留めておくと何かのときに役立つような気がします。



佐藤優さんはあの鈴木宗男議員の事件で起訴裁判中の方。

本書に出てくる鈴木氏は今までのイメージとは随分と変わりました。これまでは外務省にしがみつくゴロツキ政治家としか思っていませんでしたが、それなりにロシア情勢にも精通している人だったようです。

日本の外交の不得手さは発言力や影響力の低さが目立っていますが、そうではなくて情報集主力、解釈力に欠けていると本書は指摘しています。そういった組織や教育機関がなく、人材が少なすぎると。


ニュースとしてしか外交というものをみることはありませんが、その新しい側面を発見できた本でした。

2007-06-07

なんでも鑑定書β

こんなサイトを見つけました。

ブログパーツ




さて、どんな結果が出るのだろうか・・・。

2007-06-03

小学校の修学旅行以来

先週の日曜日(5月27日)は奈良へ日帰り旅行。

憂さ晴らしにどこか遠くへ行きかったので、いつものように行き当たりばったりで。


まずは高松塚古墳の付近へ。



当たり前ですが、高松塚古墳は工事中で見られませんでしたが、復元は見てきました。


近くにある亀石。



何がしかの言い伝えがあるようですが、いまいちよくわかりません。


珍しい黒米のおにぎり。



お米らしい甘さがあまりないので、薄い塩で十分においしい。


当然行ってきました。




小学校以来だけど、奈良って意外と近いんだ。

なんといっても高速が少ないからお金が掛からないし(ケチ臭い話ですが・・・)。


また行こうと思います。

『カラ売り屋』  黒木亮




短編集だけに、『トップレフト』や『巨大投資銀行』みたいなハラハラ感はあまりなく、淡々と進んでいく話だけど、割と自分には身近に感じる話もあって面白かった。


この手の本は帰りの通勤電車で疲れていても読めるからいい。

『バイアウト』 幸田真音




会社は誰のものかという議論は、今のところそれぞれの立場の主張だけで結局のところの結論はまだないような気がしている。

それ以前に、従業員はその立場、株主はその立場、利用者はその立場を、それぞれの立場が一体何なのかを整理しきれていないからではないか。

とはいっても、従業員には労働による自己実現の問題と家庭を養っていくという問題、株主には会社の所有者であると同時に、資産の増加という問題など、ある側面だけを考えるわけにはいかないから難しいのだが。

これは私が会社法上の会社ではなく、共同出資の法人で最高決定機関も総代会という、資本主義の世界からするとどこか曖昧な組織に属しているせいかもしれないが。


自分は自分の勤める会社の出資者でもあるが総代会に出席することもできないし、少なくとも自分の労働に対する考え方だけでもしっかりとしていたいと思う。

『かもめが翔んだ日』  江副浩正




前半は『リクルートのDNA』と同じ内容。

後半は、リクルート株をダイエーに譲渡した際のいきさつについて。


江副=リクルートのようなもので、リクルート創業から会長退任までのことについては『リクルートのDNA』で既に読んでいた。経営危機に直面した起業は往々にして創業時の社訓を覆して荒療治的に建て直しを図るが、リクルートの場合は「自ら機会を創出し、自らを変えよ」を今でも踏襲していて、なるほど今でもこれだけOBの経営者が羽ばたいているのが納得できる。


リクルート株の譲渡については、会長退任後の江副さんのリクルートとの関わり方、その後のリクルートの考え方について。

批判的な人からは院政を行っていたと捕らえられるかもしれないが、創業オーナーであるわけだからそれだけ影響も大きかったのだろう。


それだけ影響が大きかった人間が株式の譲渡で完全にリクルートから関係が切れてもリクルートが存続し続けたのは、やはり社訓が大きいと思う。

サラリーマンは得てして「長いものに巻かれろ」が現実であるけど、「自ら機会を創出し、自らを変えよ」を会社内で本当に実践できる環境が整っていたからこそ、経営者が変わり、創業時のメンバーがいなくなり、オーナーが変わってもこれだけの会社でいられ続けられるのではないか。


唯一残念というか、もちろんまだ著書にできる団塊ではないのかもしれないが、何故リクルートコスモス事件が起こってしまったのか、国策捜査といわれるようなことが起こったのかについては触れられていない(触れないとも言っている)。

そのときの江副さんがなにを考えていたかについて、大変興味がある。

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