2007-06-23

『覇権の標的』  阿川大樹




経済小説というジャンルの作家は、題材が金融である場合に限らず概ね金融関係出身者、または経済担当記者出身者が多いような気がする。それはただ単に、自分自身が読んできたものがそういう傾向にあっただけかもしれないが。

『覇権の標的』は題材は半導体開発。

シリコンバレーで雨後の竹の子のごとく誕生するベンチャー企業。そこが話の舞台である。


取捨選択される特許技術。お金に見込まれるか見捨てられるのか。

結果を即座のお金に求めるのか否か。


このような判断を一瞬に行われなければならないシリコンバレーの世界。


技術者出身の作者が著した本書は、技術への思い入れから書かれた経済小説。

会社経営に全く疎いが、そこに集まる資金と経営者。


ファイナンスを中心に書かれたものとはまた違う世界を堪能することができた。

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