2007-06-09

『インテリジェンス 武器なき戦争』  手嶋龍一、佐藤優

intelligenceって言葉の意味は「知性的」とか「知的な人」に対して使うものだとばっかり思っていました。





この本を最初に本屋さんで見たときは、「あぁ、ハイソサエティーな人たちの対談なんだ」ぐらいにしか思わなくって、たまたま手嶋龍一さんはNHKのアメリカ総局長だったことを知っていただけで買ってみました。

読み始めたら最初の印象はまったくなくなって、というよりインテリジェンスの意味がわからなくなって調べてみたら、

情報, 消息, 情報収集, 報道;諜報(ちょうほう)(機関), 情報部(▼特に軍事機密を探る

って意味があるんですね。

知らなかった。


手嶋龍一さんのデビュー作、『ウルトラダラー』もかって読み始めたのですが、話がさっぱりつかめなくて途中で挫折してしまいました。

その理由がこの本でわかったような気がします。


情報員というと怖いイメージが先行しますが、そこにも人間関係があり、ネットワークがあり、使命があり。

情報員がいない日本は平和なのかと思っていましたが、逆に情報収集力や処理能力に問題があるのではないか。そんな気がしてきました。

一般企業に勤める人間にとっても、駆け引きというものはあるわけですから、情報インとまでいわなくても、それなりにスタンスとしてこういうものもあるんだということは、気に留めておくと何かのときに役立つような気がします。



佐藤優さんはあの鈴木宗男議員の事件で起訴裁判中の方。

本書に出てくる鈴木氏は今までのイメージとは随分と変わりました。これまでは外務省にしがみつくゴロツキ政治家としか思っていませんでしたが、それなりにロシア情勢にも精通している人だったようです。

日本の外交の不得手さは発言力や影響力の低さが目立っていますが、そうではなくて情報集主力、解釈力に欠けていると本書は指摘しています。そういった組織や教育機関がなく、人材が少なすぎると。


ニュースとしてしか外交というものをみることはありませんが、その新しい側面を発見できた本でした。

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