2011-11-01

アメリカは農地もバブルの対象になるのか

こちらのブログを読んでいて驚いたし、改めて考えると農地が簡単に売却できない日本が異常なのだろうが、アメリカの農地に投機資金が流入しているようである(なお、元ネタはEconomistのこちらの記事)。残念ながら英語にそれ程強くないのでしっかりと理解できた訳ではないが、アメリカでは1990年から約2倍、イギリスの同時期でも135%だそうである。更にイギリスでは1990年から2008年の初頭までで15%も上昇したようだ。

投機資金が入るということはそこでの作物からの収益に期待をもっているからであって投資先に迷っただぶついた資金が農地に買いに入るのも確かに不思議ではない。これから新興国の人口爆発で食料は逼迫してくるであろうし、バイオ燃料の普及を考えれば当然の行動であろう。

なぜ日本ではそれがおこらないのか。日本では農地を売却すれば開発されて宅地造成されて農地が減少し食料自給率が更に低下するという定説があるからではないか?そして、農業は農家がやるもので他者がやる訳がないし、だから農地を売れば農家の稼ぎがなくなるから農地を守るという考え方がこびりついているからではないか。

国土の狭い日本では農地の大型化で効率を上げるのは困難であり、営利法人が農業に参入しにくいという点は認めるが、資産をもたずに事業を展開するのが当然になってきた昨今、農業も事業として効率的に行われる必要がある。日本は農地を守って農家を守るのではなくて、たとえ農地を売却しなくても効率化で海外の価格に対抗する手だてはあるはずだ。そういう意味でも農業の会社化は更に進める必要がある。そこで農家を雇用、または委託することで農業従事者も潤うことができるだろう。

TPPへの参加や農業の自由化で食料自給率が下がるというのはそれだけ経営努力をしませんと宣言しているようなもので、TPPや自給率の低下と話をすれ違えているだけにしか思えない。本当に食料自給率を上昇、少なくとも維持しようとするのであれば、農業の効率化で海外の廉価なものに対抗すればいい。また海外からの輸入品はどうしても輸送中の防虫対策で薬品を使用する。国内産であればそれがないだけ有利に働くのだからその分の価格上昇は消費者は受け入れることは可能だろう。

これを行えば行き場をなくすのは農協と農林中金であるが、その辺りのコンサルをしっかり行っていけば新たなビジネスや資金需要はきっと生まれるはずだ。そのための努力を農協や農林中金は行ってはいけないだろう。

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