2012-01-29

『RUNWAY』 幸田真音

体調が良いと心なしか休日は時間がゆったりと過ぎていくような気がする。昨日はほぼ1日寝ては起き、寝ては起きを繰り返していたためあっという間に1日が終わってしまったが、今日はまだ13:20。穏やかな休日を過ごしている。



朝から幸田真音の『ランウェイ』を読み、読了した。最近は生活のリズムを崩さないよう、毎日早く練るようにしているため複数の本を同時に読むこともできないし、1冊の本を読むのにも日数がかかる。

舞台はファッション業界。一介のOLが失恋を機にショップの販売員に転職し、バイヤーに抜擢され、セレクトショップにヘッドハンティングされ・・・、と30歳を目前にした女性の人生を描いた作品である。外国人投資家の強かなまでの手のひらの返し方、女同士の嫉妬、おそらく実際のビジネスの世界では、小説には書ききれない程の試練や裏切り、妬みがあって、どれだけそれを描いたとしても「そうは問屋がおろさない」と、同業の者ならば思うだろう。同業の者でなくても、実際仕事をしている人間からすれば「夢のまた夢」のようなお話かもしれない。

フィクションであれ、やはり仕事に必要なのは「情熱」であって、それに加えてよくも悪くも「人脈」なのだと思う。そしてその人脈は「情熱」がないとついてこない。情熱と好奇心が漠然としたものではなく、ビジネスプランとしてビジョン、コンセプトが固まりそれをデザイン、またはソリューションしていくところでそこに魅力を感じた者が近寄ってきて人脈というものが出来上がり、人脈の広がりが資金の出し手を探し出す。偶然なようで、それは自らの情熱が磁力となって引き寄せたものであって、運がいいといえばそれまでだが、少なくとも情熱に対する努力がなければ何もできないということは間違いない。

そして、遮二無二なって働く女性はやはり美しい。我を忘れて、たとえ化粧を落とし忘れて顔がぐちゃぐちゃになっていても、必死になってやっているときは誰もが晴れ晴れとした顔をしているはずだ。それを人前に出るときはばりっと決めて表れる、それが粋というものだろう。そしてそれは何も女性に限った話ではなく、男性もまた然りでスマートに仕事をこなしているようにみえるだけではダメで、見えないところで壮絶な思いで取組む姿勢というものがあったうえでの「格好良さ」がないといけないと思う。

そんなフィクションの世界に絆されながら仕事に取組んだところで自分の仕事がうまく行くかといわれればそれは完全にYesではないと思うが、一方で少しでもフィクションの世界が自分の身に起ればそれはそれでドラマティックではないか。と、毎日思いながら仕事をしている私である。

ただし、体を壊しては意味がないので、その辺り、調節も必要であるが・・・。

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