2011-12-11

最高裁で刑事事件を傍聴

最高裁の傍聴券
12月8日に最高裁判所で刑事事件を傍聴してきた。

事前に最高裁へ当日の裁判予定を電話にて問い合わせ(ネットでは公開されていない)、その日は13:30〜本裁判のほかに、15:30〜民事裁判の判決の予定があるとのこと。当初は13:00〜の衆議院本会議を傍聴する予定であったが、現地に到着して衛視に聞くと「今日の本会議は中止になった」とのことであり、こちらの刑事事件を傍聴することにした。

12:55に傍聴券の配布を行うので南門へ集合とのことで15:35頃に現地へ行くとすでに5名ほどの傍聴者がならんでいる。私の後からは地元紙の記者と思わしき男性2名が並び、更に数名が並んだ。傍聴券配布場所には裁判所職員が3〜4名、そして最高裁専門の警備員(正式名称は不明)が1名いる。雨が降っていたこと、および寒さのため予定を繰り上げて12:50に傍聴券の配布が始まった。
傍聴券をもらうと職員が中へ案内する。階段を上がり建物の中へ入るとロッカー室があり、傍聴券、筆記具、貴重品以外の持ち込みは一切認められない。もちろんICレコーダも不可だ。これを持ち込もうとしていた地方紙記者には笑った。
空港さながらの持ち物検査があり、ベルト、靴は身から外さなくてよい物のポケットの中身を全てトレーに入れ、金属探知機ゲートをくぐる。その後階上へ案内され大きなロビーが広がっている。床は花崗岩(と思われる)でできており、そこの固い靴だと「コツンコツン」と音が響きそうだ。ロビー2階に傍聴人待合所があり、呼び出されるまでそこで待つことになる。

13:20頃だったか、職員の先導により階段を上がり法廷のある階へ。そこからは絨毯敷であった。階段を上がり、右手に第一小法廷、左手に第二、第三小法廷である。今回は第一小法廷であった。

最高裁第一小法廷の構図
小法廷の構図は拙いメモ書きではあるが右記の様子である。


  1. まずはじめに職員より「最高裁判所からの連絡事項」が説明される。内容は以下の通り。裁判官入廷時は傍聴人を含め全員が起立することが「慣例」になっている。
  2. 裁判官入廷後、2分間は報道用撮影時間を設ける。

これら以外にも傍聴席からの発言は認められないなど「お静かに願います」的な説明が数点あった。

メモの最下段が傍聴席であるが、その右側の3と書いてあるところは記者専用のようで3人すわれるようになっている。「報道」の腕章をした人物が数名座っていた。傍聴券配布の際は見かけなかったので、おそらく登録制で専用に入廷できるのだろう。右側のと書かれたところも同様であったが誰も座っていない。その両脇の貴社専用席と思われる傍聴席には記帳台が用意されている。ちなみに傍聴券配布に並んでいた地方紙記者と思われる人物は私の隣に座っていたのでおそらく登録されていないのだろう。なお、真ん中の傍聴席には最前列で12名すわれるようになっており、左右の記者席と思われる物も含め、数列用意されている。

私が傍聴席に入った時点ですでに弁護人1名、検事1名、速記者(裁判所でもその呼称でよいのかは不明)2名が入廷済みであった。今回、上告審の初めての法廷であったようで、被告人は同席していなかった。

小法廷の様子は上からセンターに裁判官が入廷する扉がある。観音開きの扉であるが自動扉である様子。裁判官が座る場所はテレビで見るように高所であり法廷内全体が見渡せる位置になっている。下段右側は裁判所職員の出入り口がある。

いよいよ裁判官の入廷である。職員の連絡通り、全員が起立し裁判官の着席に合わせて同様に着席する。そのまま2分間の報道撮影が始まり、裁判官はまだ一言も発しない。職員が後ろで終了30秒前を伝え、2分経ったところで時間経過の案内と同時にカメラマンの退室を促す。確かNHKのカメラマンが入っているのを見かけた。

職員の「カメラ退室しました」の発言の後、裁判長から開廷知らされまず被告側へ陳述書に誤りはないか、また追加があれば発言するよう促す。開廷直前に入廷したもう1名の弁護人が書類を見ながら陳述を読み上げていた。テレビドラマや映画で見るような「気迫あふれるプレゼン」とはほど遠いというのが印象。ただ、ひたすら読み上げていく。検事の様子を見ると退屈そうにしている。

弁護人の陳述の後、裁判長から検察側へ意見があるかといわれ、検事が起立しこちらも用意した現行通りの意見を読み上げるといった印象であり、こちらもイメージを覆される。双方ともに「現行の読み上げ」が終了したところで「次回の日程は追って知らせます、本日はこれにて閉廷いたします」の裁判長の発言により、30分足らずで裁判は終了した。上告審の第1回目はお互いに上告審を行うかの確認をするだけという印象である。その後の証人尋問等、裁判長が述べた「次の日程」がいつになるものなのか想像もつかないが、事件の性質もあり一概にはいえない物の、「日本の裁判は時間がかかる」といわれる理由は何となく理解できた気がした。

今回傍聴を経験して裁判官という「人」を初めて目の当たりにした訳だが、弁護人、検察官ともに書面を読み上げる間、裁判官はほぼ微動だにせず、ただ座って前を向いているだけであった。手元の資料を見る訳でもなく(まず持って何も持たずに入廷した)、身を乗り出して話を聞くこともほとんどない。そこには感情といった物は何一つ垣間みることができなかった。これが裁判における「中立」、そして裁く者の姿勢であるのかもしれない。

最後に、開廷と閉廷の際によくテレビで見かける「木槌を叩く」というものは「今回は」なかった。

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