2010-06-08

『排出権商人』 黒木亮


京都議定書締結の後よく耳にするようになった「排出権」。これが取引できるということだが、一体排出権とはなんなのか。簡単に言えば目標設定をクリアできない場合、余裕がある国からその分を購入することであるが、それはどのような方法で行われるのか。

そんな疑問には小説であるこの本が解決してくれます。

国連での排出権認定や、交渉方法、具体的な排出権のビジネスの内容について、余すことなく書かれている。もちろん小説であるので、ある程度キャプションは加えられていると思われるが、作者のこれまでの作品から決して大げさではないだろう。

もう1点、貿易担当の仕事をしている私からは、中国人とのネゴシエーションの下りがかなり面白かった。私自身は中国へいったことはないが、取引先等から聞く中国の様子というのがよくわかり、読んでいて楽しかった。

排出権商人 黒木亮

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