2010-06-06

告白

映画、『告白』を観に行ってきました。この作品は珍しく先に小説を読んだ。この手の小説は読んだことはないが、会社の他部署の上司に進められ読んでみた。様々な登場人物が場面場面で一人称で話を進めるのがこの小説の特徴であるが、それがそのまま映画になっている。そして、過去の回想が多いこの話の中で映画もそのとおりになっており、森口先生扮する松たか子が朗読に近いお芝居をあきさせることなくみせてくれている。

食うか食われるかの経済小説を中心に読んできて私にとって、このお話の目的はよくわからない。学級崩壊した学校が描きたかったのか、家族のバランスが偏っている家庭が描きたかったのか。人間関係が下手糞な中学生が描きたかったのか。この3つに絞られるのであろうが、結論はでていない。もしかしたらHIVに感染した人間を差別してはいけないと言いたかったのかもしれない。

自分に子どもはいないが、友人の子どもを見ていると巷言われている学級崩壊などというものは全く想像がつかない。子どもというものはある程度わがままだし、自分が王子様と少なからず思っているものだ。一方で、自分が子どもを持ったときに、そんな素直な子どもに育たずこの映画に登場するような社会になじめない子どもになったらどうしようという恐怖もまたある。子どもは何に満足し、どうすれば社会になじむ子どもになるのだろうか。

子ども手当てで少子化対策を考えるのも大事だとは思うが、それよりも、自分の仕事も持ち、自分の世界ももち、それでも子どもにどう接すればいいのかを考えることの方が、より少子化対策になるのではないかと考えた映画だった。

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