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臓器移植法が成立前の日本で脳死患者から肝臓を移植することを映画たこの映画。その時代に本当にこのようなことが行われていたら社会問題としてかなりセンセーショナルな取扱を受けたと思うが、法整備がすすんだ現代においては先端の医療として普通に行われることだろう。
この映画では脳死した息子からの臓器提供を強く願った母親の意思により、移植手術が可能となったが、ここに本人のはっきりとした生前の意思表示は全くなかった。その状態で移植手術をすべきであったのだろうか。臓器移植法がなかったこの時代はそれでよかったのだろうが、現代ではそれはどうだろう。今年の7月には本人の意思表示がなくても遺族の了解で移植が可能となるとのことであるが、私個人の意見としては、やはり本人の生前の意思は尊重して欲しい。思考をつかさどることができない状態になっているからこそ、そして思考をつかさどる可能性が全くない状態ななったからこそ、遺族の主張だけで自らの体の一部を他人へ持っていかれることには抵抗がある。
その上で、私は臓器提供意思カードで臓器提供の意思表示をしている。人が死んだときに、最後を法律にのっとって見送るのは遺族の義務であるが、そこに必要以上に他人の主張をはさんで欲しくない。可能な限り、自分の最期は自分で決めたいというのが私の意見だ。
そんなことを強く感じた私はカードの記載内容を先ほど確認して、財布の中にしまった。