2013-07-18

サラリーマンは仕事と家庭の両立だけでいいのか


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photo credit: Josa Jr via photopin cc


スポーツ界では、サラリーマンと二足の草鞋をはいている人は少なからずいる。アメリカのNFLの審判はみんな副業で、弁護士や医師、裁判官など本職を別にもっている人なのだそうだ。身近なところでは高校野球の審判は専業でないだろうし(予想)、地域の少年サッカーチームやリトルリーグの指導者はみんな副業、というよりボランティアだろう。

今でこそJリーグという一大プロスポーツになったサッカーも、実は前身のJSLはサラリーマン兼業によって支えられていたのである。さすがにそれだけの規模の事務局を担うので、三菱重工や古河電工といった大手企業出身者が多いが、そのなかでも地方支店長や部長クラス、子会社役員クラスの人間が仕事とは別の世界を持ち、それを支えているのだ。
我々の周囲でもよく見渡すと、自分の仕事や家庭、それ以外にハンドボールのコーチをやっていたり、自らが地域のバレーボールチームに参加したりしている人たちが少なからずいる。きっとそういうことをすることで、普段の自分を維持することができているのだろう。

『日本サッカーに捧げた両足 真実のJリーグ創世記』の著者、木之本興三もその一人だ。彼はサッカー部員として古川電工に入社するが、入社数年で腎臓全摘を迫られる大病に冒され、途中でJSL専属になったものの、週に3回の4時間半の人工透析という不自由な生活を強いられながらも、Jリーグ発足に奔走した張本人である。本書に登場する様々な人物も、サラリーマンの肩書きを持ちながらJリーグ設立に走り回った人たちが何名も出てくる。

普段、私たちは仕事の忙しさの理由を仕事や会社のせいにしている。「仕事の量が多すぎる」、「時間がなさ過ぎる」など、外因性に都合良く理由をすげ替えているだけではないか。私たちの時間は誰に管理されるものでもなく、自分で管理するもので、そのなかで仕事をこなし、家庭生活に安心感を得て、そしてストレスの解消も自分の時間のなかで自分で行わなくてはならない。外因性に理由を擦り付けることはその時点で自分の時間管理を放棄しているだけである。

よほどのことでない限り、私たちはもっと時間をうまく使うことができるようになり、そして仕事もスムーズに流れ、家庭生活も幸せな時間を過ごすことができ、またそれら以外の活動にも力を注ぐことができる。そのような時間の使い方を常に考えながら生きていかなくてはならないのではないだろうか。


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