2011-10-16

『こども論語塾』を読む訳

いわゆるビジネス書ライターの方々が書いた本というのは、自分の経験を紹介しているにすぎない、若しくは「こうしてみてはどうだろうか」といった視点で書かれているケースが多いように見受けられる。現在のように自己啓発本が流行る以前はそれ自体が少なかったため参考になった点が多いが、ここまでこの手の本が出てくると何に手を出していいかわからなくなってしまうし、書いてあることも千差万別で迷いが多くなってしまう。

それぞれの著者が経験したことを出版に至るまでにはそのバックボーンとして何かを吸収してそれを実践して自分流にアレンジしているのではないか。その自分流の部分ばかりを追っかけていても、ひねくれ者には二番煎じにしか読み取れなかったり、「それぐらいのことはやっているよ」ということで本自体を読むことを恐れるようになってしまった。

ならばその著者たちのもう一歩手前、彼らが影響を受けたものを私も身につけてみようと思い、漠然と「論語」を思いつき、書店の新書コーナーで見つけたのが『論語 (講談社現代新書 13)』(貝塚茂樹著)である。

ところが読み始めてみると、ものの見事に漢字の読めない現実を思い知らされる。中学か高校である程度は習ったことはあるはずなのに、正しい読み方がわからない。最も日本語に訳したものを読む訳だから多少違って読んでいても問題はないのだろうが、いわゆる一般的な読み方ぐらいは知っていたかった。ほかにも論語を解説する本は多数あるだろうが、私が手に取ることができたものはわかりやすく書かれているものは完全に訳されたものだけが掲載されているものが多く、勝手に思っている論語の重みが伝わってこない。さてどうしたものかと思っていたところに、6月の研修会で紹介されたのが本書である。

その後、なかなか手にする機会を得なかったが、昨日書店を散策していた時にふと思い出しコーナー検索を行ったら在庫が残っていたので手に取ってみた。原文の掲載され、日本語訳も掲載され、子ども向けの解説も掲載されている。30も半ばに近づいた男が手に取るには恥ずかしさもあるが、そうはいってもそれが私の現在の知的レベルであるので仕方あるまい。小学生と一緒になって、論語を読み始めてみようと思い、1巻2巻の2冊を購入した。

この本をもとに、様々な論語の解釈に触れて、自分の軸を作る1つなればと考えている。

こども論語塾―親子で楽しむ 安岡定子著 田部井文雄監修 明治書院

0 件のコメント:

zenback