2007-09-01

『狂宴の果て』 江上剛



前半は、学生運動真っ盛りの早稲田大学が舞台。

後半は、バブル絶頂期から崩壊まで。

両方とも日本が狂っていた時代を舞台にした小説。


前半は僕の知らない時代の、今ではありえない学生さんたちが元気だった頃のお話で、よくも悪くも現代的な学生時代をすごした僕にはとても面白かった。

ビジネスシーンが多かった江上剛の小説には今までなかった状況で、それだけでも十分興味が引かれた。

舞台になった場所の近くに数ヶ月いたこともあり、その当時読んでいたら間違いなくその近辺を歩いていただろう。


一方で時は平成のバブル崩壊の時代。

ストーリーは銀行での巨額不祥事、詐欺というかそういうものが舞台であるが、淡々と進んでいく感じで、前半の面白さとはちょっとかけ離れてしまった感じが・・・。


それにしてもいつの時代も銀行員の不祥事というものはあったものだと思い知らされたが、だからといって不祥事に麻痺することがないようにしたい。

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