2007-03-12

『虹を掴む』、川淵三郎

Jリーグ初代チェアマン、日本サッカー協会会長を務める川淵三郎氏の自叙伝。
初の著書と思われる。




川淵氏については以前から関心があり、テレビ番組や新聞雑誌でのインタビューなどは見つけると読むようにしていた。

関心を持つ理由は、サラリーマンでありながら、サッカーの促進に取り組み、プロリーグを設立までこぎつけたこと(途中で古川電工は辞しているが)。


現在ではバスケットやバレーボール等、企業スポーツであったものの多くはプロリーグが設立され、企業から独立している(形はとっている)が、当時は企業スポーツが全盛の時代。

サッカー協会のような諸団体の要職につく人も出身企業からの出向の形が強く、名前だけ会社においているという状態に近いものもあったに違いない。

その中で、川淵氏はサラリーマンとして会社の仕事を十分にこなしながら、サッカーへも力を注ぐという、いわば「2足のわらじ」を自ら実践していた人物。

その中である時期は仕事に傾倒し、またある時期はサッカーへ力を注ぎ。

その時その時で、周囲の要求を両者満たしていた行動、考え方に関心があった。

そのプロセスにはサッカー協会に対する絶望もあり、またその後プロリーグの設立へ積極的に前進させる。

そして企業ではなく、サッカーそのものが主体となるリーグの設立を目指し、妥協をせず新年を貫く行動。

「独裁者」と罵ったマスコミのトップもいたが、現在のところの結果としてはよい方向に進んでいるため、その言葉は当てはまらないであろう。

反面、結果が悪い方に進んでいる場合はおそらくその言葉が当てはまってしまう。

一般的にはそうなるであろうが、彼はそうならないよう周囲への説得へ駆け引きも使い、考えを貫くこと自体をよいこととするのではなく、よい結果を出すために考えを貫ける人物だと思う。

それはサラリーマンとしての経験があるが故のなせる業ではないか。

アマチュアスポーツの衰退とそれをプロに発展させた手腕と行動力は、自分自身も勉強になる点が多々あるはずだ。

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